ぱしふぃっくびいなすに乗る前に予習をしていた時、クルーはほとんどフィリピン人だから、タガログ語の挨拶を覚えていくと仲良くなれる、という情報がありました。実際に乗ってみると、確かに私達にサービスを提供してくれるのは、ほとんどフィリピン人。クルーズ船のクルーはどうしてフィリピン人が多いのでしょうか?
フィリピン・ホスピタリティは引っ張りだこ
実は、船員に限らず、フィリピン人は労働力として世界中から大人気なのだそうです。
というのも、フィリピン人は英語が話せる上に、陽気で気さくで面倒見が良く、人と接する仕事に向いているからです。フィリピン・ホスピタリティと呼ばれ、賃金が安い事もあって、先進国の企業には欠かせない存在になっています。
また、フィリピンはまだまだ人口増加の時期にあり平均年齢が若いので、可能性を求めて外国へ向かう人が多いのでしょう。外貨獲得や雇用創出の面から、フィリピン政府の後押しもあるそうです。
船乗りの国フィリピン
フィリピンはたくさんの島が集まった国で、生活していくのに船はとても重要です。以前から国内には、船員になるための学校や船員派遣会社が数多く存在していて、若者が船員を目指すのは、自然な事のようです。

フィリピン
また、船員は女性にとって結婚相手に良いとされる職業だそうです。フィリピンでは船員は比較的安定した職業で、日本でいう会社員のような感覚なのでしょうか。
フィリピン人クルーの獲得競争
フィリピン人船員ももちろん世界中から大変人気があり、人材の獲得競争まであると言う話です。
飛鳥2を所有する日本郵船では、現地企業との合弁で、1989年に船員養成のための専門会社を、2007年に商船大学をマニラ近郊に設立し、更に優秀なフィリピン人クルーの獲得に力を入れています。
商船大学は、独自の奨学金制度を整え、大学に通う事が困難な学生に対しても、大学進学の道を開きました。これは国際協力の側面がもありますが、船員の「青田買い」でもあります。
そのほか、優秀な船員をつなぎとめたい商船会社の中には、家族を招いて謝恩会をしたり、船員の家族に航海中の同乗を認めるところもあるそうです。
それくらい、フィリピン人クルーの獲得が、商船会社にとって重要なのです。
こんなにも世界中から求められ、そしてそれに応えているにもかかわらず、フィリピンの人口が今も増え続けているのは、どんなに外国で活躍しても、心は母国にあり、必ず愛する家族の元へ帰るからなのでしょうね。
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