仕事しながら世界を旅する・・・素敵な響き!と感じた方におススメの仕事があります。旅好きにはたまらない仕事の一つ、それはクルーズ船のクルーです。
世界各地を巡るクルーズ船に乗ろうと思うと、いくらお金がかかるのか、考えるだけでめまいがしちゃいそうですが、船上で仕事をしてお金を稼ぎながら、空き時間にちょっと寄港地で観光して・・・興味がある方は今がチャンスかもしれません!
クルーズ船の求人情報収集から、応募、面接、採用、初乗船までを赤裸々に語ります。
こちらの記事もどうぞ!
<豪華客船のお仕事シリーズ>
クルーの給料とお金事情
今だから話せるトラブルの話
舞台裏のもっとも忙しい時間
客室係の長い一日を紹介
クルーのお仕事 苦労と喜び
[voicel icon=”https://tabiyukeba.com/wp-content/uploads/2017/06/usaco.jpg” name=”ケイ”] この記事はわたくし、ケイが書きました。 [/voicel]
[voicer icon=”https://tabiyukeba.com/wp-content/uploads/2016/09/384bbe9694478b665c747cd3b71c4cef-150×150.jpg” name=”管理人晴子”] ケイさんは、某有名豪華客船の元客室係だったんですって。現在は1児の母にして、駆け出しのライター、翻訳家なんですよ。[/voicer]
豪華客船の乗組員になるなら今がチャンス
近年、日本でもクルーズ旅行が大人気。多くのクルーズ会社が日本発着ツアーを組んでいます。今や多くの船会社が日本語ができるスタッフを求めています。
操縦士や機関士など専門知識や技能が必要なポジションは無理でも、船上では様々な仕事があります。
クルーズ船は1つの町みたいなもの。船上にはホテル、レストラン、ショップ、病院、スパ、写真館、インターネットカフェまで・・・そんな多様な仕事の中にきっとあなたがやりたい、あなたができる仕事があるはずです。
私は客室係としてクルーズ船に乗り、オセアニアとアジアを仕事しながら巡ってきました。そんな私がどのように求人を見つけ、採用過程を経て、仕事に就いたかご紹介したいと思います。クルーズ船で働くことに興味がある方の参考になれば嬉しいです!

豪華クルーズ船イメージ
情報収集はネットで
旅好きな私が趣味と実益を兼ねた仕事がしたい!と思い、行きついた先が“クルーズ船で働く”でした。
英語を勉強していたので、どうせなら外国を回る船で、というのがスタートです。でも当時はリクナビやマイナビなどの求人サイトでクルーズ船に関する求人なんてなかったんです。
どうやって求人を探したらいいのか全く分かりませんでした。
[voicer icon=”https://tabiyukeba.com/wp-content/uploads/2016/09/384bbe9694478b665c747cd3b71c4cef-150×150.jpg” name=”管理人晴子”] 2018年現在は、一般の求人誌でもクルーズ船の日本人スタッフ募集を見かけるようになりましたね[/voicer]
そこで、インターネットで「cruise job」などという単純なキーワードで検索。すると英語のサイトですが、クルーズ船での仕事を紹介するサイトを見つけました。
仕組みはリクナビなどと同じで、会員登録をすると、求人一覧から気になった求人に応募できる、というものです。
ただこのサイトは信頼に足るものなのか正直分からなかったですし、求人を見ても知らない会社ばっかり(私の勉強不足のせいかもしれませんが・・・)このサイトに頼るのはちょっと・・・。
クルーズ船での仕事がリアルに・・・
登録はしなかったものの、サイトを見つけて求人はあることが分かって、クルーズ船で働くってことに現実味が帯びてきました。
このサイトで見た客室係なら、オーストラリアでハウスキーピング(清掃係)の仕事をした経験を生かしてできそうだと思い、“クルーズ船 求人”から“クルーズ船 客室係 求人”で検索。すると具体的な会社の名前が出てきました。
残念ながら最初にヒットした会社は客室係の募集はその時点で締め切っていました。ですが、この結果をみて”クルーズ船会社名 客室係 求人“で、いくつか知っている名前を入れて検索してみると、ついにある会社の求人を見つけました。

クルーズ船でハウスキーピング
まずは履歴書送付
応募条件は大きく言って、①ホテルでのハウスキーピングの経験があるか②英語が話せるか、でした。
年齢制限はなく、私は32歳で応募しました。日本では再就職が難しい年齢かも知れませんが、ここでは関係ないようです。実際勤務してみると、同僚は自分の親くらいの方も大勢いました。
応募自体は通常の就職活動とさほど変わりません。まず履歴書を送って書類審査を受けます。
私が応募した会社の本社はアメリカでしたが、シンガポールにアジアの採用担当会社があり、日本にも採用コーディネーターがいました。
履歴書は英語のものをメールでという指定でしたが、履歴書の送り先は日本人コーディネーターでしたので、最初のやり取りは日本語でした。私が応募した時は他にウェイトレス、カメラマンの求人もあったと思います。
アメリカの会社なので、日本の学歴はそんなに重視されないだろうと思い、学歴に割くスペースは最小化し、志望動機にスペースを割きました。
ここで謙遜は美徳ではありません!自信を持って自分の能力をアピールするべきだと思います。英語の履歴書なんてどう書いたらいいか分からない・・・という方でも今はネットで見本が探せるので、それをお手本に書いてもいいかと思います。
数日後、一次選考の書類審査に通ったとメールが!!
まだまだ続く書類選考
2次選考は会社指定の履歴書での書類選考。
ちょっと変わってるな、と思った項目は2つ。1つ目はタトゥーの有無。実際に勤務してみるとタトゥー入った人が結構いたのでタトゥーしていると即落とされる、というわけではなさそうです。
もう1つがリファレンス(推薦状)。外資系企業なんかに転職する際に求められたりするかと思うのですが、簡単に言うと、あなたの仕事ぶりや人間性をおススメしてくれる人を紹介してくださいってことです。欄は3名分ありました。これはもしかしたらハードルが高いと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
私の場合、オーストラリアのホテルで働いていた時の上司には快諾してもらえましたが、日本で働いていた時の上司には英語で聞かれたら困るという理由で断られてしまいました。
指定はないので日本人の名前を書いても何ら問題はないと思うのですが、書かれる側が身構えてしまうかもしれませんね。
できるなら空欄は避けたいな、と思い、オーストラリア滞在中のつてであと2名お願いできました。1名だけや空欄がどう選考に影響するか分かりませんが、結局私が書いた3名の方のところには連絡はなかったようです。

客室係はお掃除もします
面接はSkypeで
2次選考も通過!!いよいよ面接です。もちろん面接のためにシンガポールまで行くわけではなく、Skypeでやりました。本当に便利な世の中になったものです。
面接開始1時間ほど前に日本人コーディネーターの方と電話で話をし、労働条件や船上での生活に関する説明を受けます。この時点で質問もできますが、詳細は採用が決まってから聞けました。
面接が始まる10分くらい前からパソコンの前で待機。服装はキレイ目なシャツを着ておきました。面接官は中国語なまりの英語を高速で話す男性1人。会議室みたいな部屋にいました。手元には私が送付した履歴書が。
たわいのない会話で緊張をほぐしてくれるのは、私が今まで受けてきた面接と同じです。
いよいよ面接が始まった!
質問内容はシンプルですごく直接的。「あなたを電化製品に例えたら何ですか?」なんて質問はありませんでした。
応募した客室係の仕事に関係する職歴についてきかれ、実際にどのような仕事をしていたか一日の仕事の流れを説明するように言われました。
面接官は私がホテルで働いた経験が半年しかないことに引っかかったようでした。通常は2年以上の経験が必要と言われました。でもここで引き下がれない!と思い、必死で半年でもフルタイムで働いたことや、政府関係者も泊まるような5つ星ホテルで働いたんだ!と必死でアピール。
結果採用になったので、ちょっとバイトしたくらいなので・・・などと諦めてしまわず自信を持って積極的にアピールした方がいいと思います。
やきもきの1週間後
合否結果を待つこと1週間。面接官からメールが・・・!開いてみると“Welcome to 〇〇cruise”という文字が目に飛び込んできました!!それも希望していた客室係での採用。面接の時点で、客室係の下のクリーナーとしての採用になるかも・・・と言われていたので心配していたので。
客室係は客室の掃除とその部屋の乗客のお世話をするコンシェルジュ兼ねた仕事なので、世界各国のと乗客とガッツリ!接することができます。
でもクリーナーの仕事は階段とかロビーとかの掃除で、基本的に乗客と話すことはありません。そしてもちろん、給与も大きく変わってきます。
乗客の目安になる経験に足りてない私でも採用された最大のポイントは日本人だから、かもしれません。最初に申し上げたように今日本発着クルーズは大人気で、クルーズ会社にとって日本人スタッフは喉から手が出るほど欲しいのです。
採用が決まったら・・・
採用が決まったーーー!といつまでも喜んでいられず、やることが山積みです!
まずは登録書を作ります。個人情報とパスポート情報、緊急連絡先などを記入します。
次に英語がぎっしり書かれた契約書。(30ページくらいありました・・・)1年以上有効なパスポートがあるか?労働条件(給与・時間・義務などなど)を理解しているか?などの項目にチェックを入れて、最後にサインをします。
契約に関することなのでしっかり理解しないと後でトラブルのもとになるので、念のため辞書を片手に読みました。驚いたのが、犯罪を犯したことがない、調べてもらって結構です、という宣誓書。これらの書類とパスポートをスキャンしてメールで送信します。

契約書
勤務開始日はいつ!?
採用は決まっても、乗船する船、勤務開始日は決まりません。
健康診断を受け、必要な予防接種を受け、そしてなにより不可欠なビザの取得ができて初めて決まります。健康診断は会社指定の病院でしか受けられず、なんと日本では東京に1件あるだけです。
私は関西在住でしたので、健康診断のために上京・・・。必要な予防接種もその病院でできます。抗体があるかどうかは過去の予防接種や病歴の自己申告でいいみたいでした。不明な場合は抗体があるかの検査もできます。私は風疹の予防接種を受けていなくて、かかったかどうか記録にも記憶にもなかったで、風疹・麻疹の予防接種を受けました。
悲しいことに東京までの交通費・健康診断、予防接種にかかる経費、すべて自腹です・・・
ビザ申請で領事館へ
あとはC1/Dビザ(通過/クルービザ)を取得する必要があります。
会社からは取ってね~としか言われず、最初はどうやって申請するの?とクエスチョンマークだらけでしたが、ありがたいことに申請方法はいくらでもネットで調べられます。申請方法が分かれば、ビザを取るのは簡単でした。
簡単に言うと、アメリカ大使館のサイトからネットで申し込んで、大使館または領事館で面接を受ける、です。会社から、「この人をクルーとして雇うのでビザを発行してください」というようなことが書かれた書類をもらえるので、問題なく発行されました。
ただ・・・ビザ申請にかかる費用も自己負担です。勤務開始までにかなりの経費がかかります・・・

C1/Dビザ
ついにクルーズ船・乗船日発表
健康診断表・ビザが揃うとついに勤務する船と勤務開始日が決定します。クルーズ船は常に航行しているので指定の寄港地から乗船します。
乗船する港がある都市に乗船前日に行き、ホテルに一泊して翌早朝、シャトルバスで港まで移動します。私の初乗船港はシドニーでした。
健康診断・ビザなど自己負担で初期費用がかかると言いましたが、安心してください!港までの交通費・ホテルの宿泊代は会社負担です!!(最寄りの空港までは自己負担ですが・・・)
ですので私場合は関空からシドニーまでのフライト、シドニーでの全食事付きのホテル宿泊を会社が手配してくれました。ちなみに勤務終了時のフライトも会社負担です。
6か月勤務するので荷物もやはり多くなってしまいます。そこで気になるのが荷物の重量です。でもまたまた安心してください!会社の方から航空会社に既定の重量よりプラス10kgくらいは融通してくれるように伝えてくれます。万が一重量オーバーで超過料金が発生しても会社が負担してくれます。
私はオーバーしたことがないので本当に融通してくれるのか不明ですが・・・
長い船旅の始まり
乗船日は、同じく乗船するクルーと一緒にシャトルバスでホテルから港に向かいました。
乗船後は怒涛の忙しさです。荷解きの間もないまま、勤務開始です。乗船するクルーがいれば、それと入れ替わりで下船するクルーがいます。乗船初日から頭数として数えられます。
まだ何がどこにあるか分からず、迷路のような船内をあっちいったりこっちにいったりしながら制服を受け取り、研修を受け、ボスに挨拶し、仕事を教えてもらい、バタバタしているうちに昼には乗客も乗船してきて、朝のドタバタはなかったことのように乗客に担当の客室係として挨拶・・・長い長い航海の始まりです。
あくまでこれは私が働いたクルーズ会社のことなので、別の会社には別の採用過程があると思います。ですので、ほんの参考までにしていただけたら・・・と思います。
繰り返しになっちゃいますが、クルーズ船での仕事に興味がある方、これを読んでうれしいことに興味を持ってくださった方、今はすごくいいタイミングなのでぜひチャレンジしてみて欲しいです。
[kanren url=”https://tabiyukeba.com/cruise-answer/”]
[kanren url=”https://tabiyukeba.com/eikaiwa-review1/”]
コメント