豪華客船の仕事|お客様を迎えるまでの舞台裏は大忙し

大型ラグジュアリーの外国船 クルーズ裏話
大型客船が寄港したら、クルーは大忙し

あなたがクルーズ旅行に行くと、まず最初に向かう場所は客室です。クルーズの間のリラックスできるプライベートな空間。

その客室で、乗客を迎える準備がどのように行われてるか興味がありませんか?乗客が乗船する前の、決して見ることの出来ない裏側中の裏側!

どうやってクルーズを終えた乗客を見送って、新たな乗客を迎え入れるか、豪華客船の裏側を客室と乗客のお世話をする客室係の目線でご紹介します。
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[voicel icon=”https://tabiyukeba.com/wp-content/uploads/2017/06/usaco.jpg” name=”ケイ”] この記事はわたくし、ケイが書きました。 [/voicel]
[voicer icon=”https://tabiyukeba.com/wp-content/uploads/2016/09/384bbe9694478b665c747cd3b71c4cef-150×150.jpg” name=”管理人晴子”] ケイさんは、某有名豪華客船の元客室係だったんですって。現在は1児の母にして、駆け出しのライター、翻訳家なんですよ。[/voicer]

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クルーズ終了から次のクルーズ開始まで

豪華客船は、乗客を乗せない状態で航行することはありません。つまり、乗客がクルーズを終え下船すると、同じ日に新しい乗客が乗船します。1日のうちに数千人もの乗客が入れ替わるのです。

外国の超大型客船ともなると、入れ替えは大勢の乗客がチェックイン出来るだけの、広いターミナルを持った港でしか行えません。日本でクルーズ船が寄港するのは全国津々浦々ありますが、私の勤めていたクルーズ船では、乗客の入れ替えが行える港は横浜と神戸のみです。

下船の順番はどう決まる?

数千人もの人が一気に大きな荷物を持って下船することはできません。船の下船口は飛行機の搭乗口と同じくらいです。そこに大きなスーツケースを引っ張って数千人が押しかける・・・パニックですよね?

混乱を避けるために、下船の順番は事前にグループ分けされます。このグループ分けは下船後のスケジュールを加味して行われます。簡単に言うと、飛行機の出発時間が早い乗客が早く降りるグループに、逆に遅い時間の飛行機に乗る乗客は後の方のグループになります。港から自家用車で帰る、その港で宿泊する、など時間に制限のない乗客は希望を聞いて割り振ります。

大体20くらいのグループに分かれて、早いグループで7時前から、遅いグループで10時半くらいに下船します。

事前に荷物を預け身軽に下船しましょう

先ほどもお伝えしたように、船の下船口は狭いので大きな荷物を持って通ることは出来ません。

ではどうするかというと、手荷物以外は全てクルーが下ろします。イメージは飛行機の搭乗。事前に預かった乗客の荷物をグループ毎にまとめてコンテナで下ろし、乗客は下船後にその荷物受け取ります。

ではどのようにスーツケースを事前に預けるかというと、ここは飛行機の搭乗のようにカウンターまで持って行く、何てことはしません。手荷物以外は下船日前夜に客室の前に置くだけです。担当のクルーが集めて回ります。

ちなみに乗船時も同じです。事前に預かった荷物は客室まで届けられます。

準備時間はわずか数時間

乗客をお見送りすると、客室係は次の乗客が乗船するまでの数時間で部屋を完璧に磨き上げ、ベッドを整えて、すべての備品を準備しなくてはいけません。

かなりの部屋数を担当しており、すべてを数時間で行う・・・正直1人では無理です!ですので”バスルームボーイ”というサポートを付けてもらいます。

通常、部屋掃除は客室係が1人で責任を持って行うのですが、この入れ替えの日だけは特別です。その名の通り、バスルームの掃除をしてくれます。空いた部屋からどんどん掃除・ベッドメイキングを行っていきます。

客室前にはシーツの山!山!

まず客室に入ってするのはシーツ、枕カバーなどのリネンはがしていくことです。船上の備品は限られているので場合によっては事前に用意されたシーツなどが足りません。ランドリー係が朝からフル回転で集められたリネンを洗っていくために、まずはシーツはがしていくのです。

はがしたシーツ類はランドリー係が集めに来るのですが、千以上もの部屋を数人で回るので、場所によってはなかなか来ません。ランドリー室から遠い部屋を担当したときは、リネンの山脈が出来あがり・・・

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クルーズ中には掃除できない隅の隅を!

クルーズ船の客室係は準備に忙しい

客室準備には細心の注意を払っています


毎日2回掃除に入ってるとはいえ、乗客の荷物があってなかなか掃除できなかったところを重点的に掃除します。

特に引き出し。乗客がいる間は決して開けることが出来ないので、掃除はこの入れ替わりタイミングだけです。

中には、すべてもお手紙やチラシを入れて行く方、おやつか夜食にするのか、クッキーやフルーツなんかが入ってる時も。化粧品を入れていて、こぼれてしまって真っ赤に染まった引き出し・・・引き出し開けるときはドキドキです。

荷物が無くなったので掃除機を隅々かけられます。空いた部屋はドアを全開にしておくので、まとめて部屋から部屋へ回って掃除機をかけます。

バスルームボーイを信用するな!

客室の机を磨き上げる

お掃除はすべて客室係の責任


バスルームに関してもバスルームボーイが手伝ってくれるとはいえ、それでもすべての責任は担当の客室係が負います。万が一掃除に不備があっても責任は客室係にあります。

ボスの口癖は「バスルームボーイを信用するな!」。つまりちゃんとダブルチェックをするようにってことです。

ですので掃除が終わったら、鏡の水垢やシャワーブースの水滴など残ってないか、バスアメニティに漏れがないかなど、必ずチェックします。

ここでは詳しくご紹介しきれないのですが、実は客室係はバスルームボーイに手伝ってくれたお礼を渡します。はっきり言うとお金を払います。え?仕事なのに?と思われるかと思いますが、感覚的には乗客からもらうチップを分けるという感じです。バスルームボーイの助けがあってこそのサービスなので。

ただあまりに掃除がずさんな時は金額を下げることもあります。

ベッドのアレンジは希望にそって

通常ホテルでしたら、シングルベッドが2つ並んだツインルーム、ダブルベッドのダブルルームと部屋のアレンジは決まっていますが、船の客室はすべてシングルベッドがあるだけです。ダブルルーム希望の場合はシングルベッドをくっつけてご用意し、逆にツイン希望の場合は、離してシングルベッド2つにします。

事前に希望は伝えられているので、その情報に基づいて準備します。

ちょっと愚痴になっちゃいますが、このベッドの移動、結構大変なんです!事前の情報を見て「このツインになってる部屋に次もツイン希望の乗客が来る!ラッキー♪」や「あーこの部屋ダブル希望かぁ~、ベッドくっつけなきゃな・・・」となるわけです。

乗客の国籍別に船内新聞やメッセージを

掃除、ベッドメイクが済んだら最後の仕上げ。諸注意やキャプテンからのメッセージ、船内新聞などを置いていきます。

英語以外の日本語や中国語で書かれた船内新聞や案内が用意されている場合は、乗客の国籍に合わせて用意します。

キャプテンからのメッセージも初めての乗客には”Welcome Onboard!(ようこそ!)”2回目以降なら”Welcome back!(おかえりなさい!)。乗客情報を確認しながら置いていきます。

中にはお名前が入ったメッセージもある場合があるので、決して間違えないように細心の注意を払います。

最後はもう一度見回りチェック

掃除が終わって、ベッドメイクをし、すべての配布物などを置いたら最終チェックです。

1部屋ずつ見て回り、掃除の洩れがないか、ベッドアレンジは希望通りか、お手紙など間違いがないかをチェック。慎重に慎重を重ねますが、やはり短い時間での作業。実は失敗しちゃったことも・・・

あるクルーズで、ツイン希望の部屋でベッドをくっつけてダブルベッドにしてしまったんです。乗客が乗船した後お部屋に挨拶に伺った時にすぐに間違いに気がつきました!

というのも、その部屋の乗客は男性2名!!すぐに平謝りして、ランチの間にベッドを移動。笑って許してくれて、逆にそんなに早くアレンジが変えれるのかと感心されましたが、それ以来さらに慎重にチェックするようになりました。

楽しいクルーズ旅行の最初に入る客室。やはり第一印象が大切!と短い時間の中でクルーは最大限のサービスを行うべく大奮闘しています。クルーズ旅行に行く機会があれば、ぜひそんな裏側にも思いをはせて頂けると嬉しいです。
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