夏でも比較的過ごしやすい東北地方は避暑地に最適ですが、そんな時期にちょうど見ごろになる花を知っていますか?
それは、蓮(ハス)と睡蓮(スイレン)です!東北地方の方も、夏休みに東北地方を訪れる予定のある方も、蓮と睡蓮を見に行ってみてはいかがでしょうか。
ところで、蓮と睡蓮は違うものだとご存知でしたか?蓮と睡蓮の見分け方はこちらの記事をご覧ください。
蓮の花の名所in東海 蓮と睡蓮違い
それでは、東北地方にある蓮と睡蓮のおススメ鑑賞スポットを5つご紹介します。
弘前公園(青森)
鷹揚公園(おうようこうえん)という別名を持つ弘前公園は、弘前城や桜の名所として有名です。
ですが、実は蓮の名所としても有名です。7月下旬から8月下旬には古代蓮の一種である「大賀蓮」を見ることができます。
弘前公園の蓮スポットには「蓮池濠」と「石橋」付近の2か所があります。私のおすすめは「蓮」という名前が付いた「蓮池濠」です!お城の本丸から眺める景色はまさに絶景ですよ!
日本百名山の一つ「岩木山」をバックにして蓮を見ることができます。本丸から下を眺めれば、お濠を埋め尽くす一面の緑とその間にぽつぽつと見える鮮やかなピンク、目線を上げれば、雄大な岩木山と夏の青い空が見えます。すばらしい夏の思い出になること間違いなしです!
公園の西側から蓮を見るのは無料ですが、本丸から見るのは有料です。しかし、そこには期待を裏切らない景色がありますよ。是非とも本丸からの景色を楽しんでみてください。

弘前公園公式サイトの蓮の花の写真引用
弘前公園ホームページ
弘前公園住所:青森県弘前市下白銀町1
入園料:無料 ※有料区域入園料 大人310円/子供100円
蓮の見ごろ:7月中旬~8月中旬
五郎沼(岩手)
五郎沼は大昔に五郎さんという人が遊泳したことから、そう呼ばれるようになったと言われています。
五郎沼では、春は桜、夏は蓮、冬は白鳥を見ることができます。蓮は、桜や白鳥と比べると地味に感じるかもしれませんが、ここ五郎沼の蓮はどこにでもあるような普通の蓮ではありません。
「中尊寺蓮」と呼ばれる古代蓮の一種で、何と800年以上も昔の蓮なんです! そんな昔の蓮が今でも咲いているなんてロマンを感じますよね。
でも、昔からずっと咲き続けていたというわけではないんですよ。
昭和25年のことです。大賀一郎という学者が平泉の中尊寺に安置してあるミイラから種子を手に入れ、保存していました。
それから時が流れ、平成6年。大賀一郎の弟子である長島時子はその種子を発芽させることに成功し、さらに平成11年には開花させることにも成功したのです。
五郎沼の蓮を見る際には、こんな逸話にも目を向けてみてください。そして、悠久の歴史に思いを馳せてみてください。きっと、花の見え方が変わってくると思いますよ。
中尊寺蓮は柔らかなピンク色をした、大ぶりの花を咲かせます。同じく古代蓮である大賀蓮とよく似ています。古代と呼ばれる頃の日本には、ピンク色の大きな蓮の花がたくさん自生していたのかもしれませんね。
ホテルエース盛岡 さんの動画をお借りしました。
紫波町観光サイトの五郎沼紹介ページ
五郎沼住所:岩手県紫波町南日詰字箱清水
入園料:無料
蓮の見ごろ:7月下旬~9月上旬
千秋公園(秋田)
千秋公園は、江戸時代に作られた久保城の跡地です。
明治になると、公園として整備されるようになり、現在も緑に囲まれた美しい姿を見ることができます。
城跡ということは、もちろんお濠があるということです。そして、このお濠の中には蓮が植えられています。千秋公園に植えられている蓮は、古代蓮の1つである「大賀蓮」です。
実はこの大賀蓮、植えた時は大賀蓮だったはずなのに、いつの間にか異なる性質を持つ蓮に変化してしまったとか…。不思議なことが起こるものですね。現在は、本物の大賀蓮の育成に力を注いでいるそうです。
千秋公園の蓮は、毎年順調に花を咲かせてきたわけではありません。開花しないまま枯れてしまったり、長雨にやられてしまったり、いろいろなドラマがあって、今に至ります。
現在では、お濠一面に元気よく蓮の葉が開き、夏には大きなピンク色の花を咲かせます。
お濠は公園の中ではなく、沿いにあります。近くにお住まいの方はちょっと遠回りしてでもこの道を歩きたいところですね。もちろん遠くからいらっしゃる方にもおすすめです!
お濠で蓮の花に癒されたあとは、涼しい公園内を見学しましょう。
秋田市の千秋公園紹介ページ
千秋公園住所:秋田県秋田市千秋公園1
入園料:無料
蓮の見ごろ:7月下旬~9月上旬
伊豆沼・内沼(宮城)
伊豆沼・内沼の蓮は日本一だと言われています。
花の美しさもさることながら、圧巻なのはその総面積です。二つの沼で387ヘクタール、なんと東京ドーム83個分だそうです。
そんな大きい沼一面に花が咲く様子は、まさに極楽浄土のようです!内沼の近くに「浄土」という名前のバス停があるのも納得ですね。
伊豆沼・内沼の蓮を見に行った際に、是非とも体験して欲しいことがあります。それは遊覧船です!
沼一面に咲く蓮の中を、地元の漁師が舵を取る船で遊覧します。見渡す限りどこまでも続く大パノラマの蓮畑は言葉では言い表せないほどの美しさです。
乗船料は700円ですが、この景色にはお値段以上の価値がありますよ。
きれいな蓮を見て、心がきれいになったら、お肌もきれいにしたいとは思いませんか。
そんなあなたに朗報があります。伊豆沼農産の直売所や宮城県のスーパーには、伊豆沼・内沼の蓮を使った化粧品が売られているそうです。蓮には美白効果と保湿効果があるだけでなく、紫外線からお肌を守る効果もあるそうです!夏にはぴったりですね。蓮の力で心身ともにきれいになりましょう。
栗原市の伊豆沼・内沼はすまつり紹介ページ
伊豆沼住所:宮城県栗原市若柳字上畑岡敷味17-2
内沼住所:宮城県栗原市築館字横須賀養田20
入園料:無料(遊覧船:700円)
蓮の見ごろ:8月上旬~8月下旬
大山公園(山形)
大山公園には上池と下池という2つの湿地がありますが、蓮が見られるのは上池のみです。
上池は、ラムサール条約という湿地の保存に関する国際条約に登録されています。この条約に登録される湿地は国際的に貴重なものだけだそうです。
8月になると15ヘクタールの池一面に蓮の花が咲き誇りますが、8月10日頃が特におすすめです。運が良ければ上池の風物詩を見られるかもしれませんよ。
お盆前のこの時期になると、蓮の花や葉を仏前に供えるために、浮草組合の方々が蓮を刈り取ります。蓮の花が見られる場所は、それこそ日本中にありますが、蓮を刈り取る光景が見られる場所は、そう多くはないはずです。
また、大山公園では、「姫蓮」という薄いピンク色のかわいらしい蓮を見ることができますよ。
大山公園では、蓮の花だけはなく、そこに飛来する数々の野鳥を見ることもできます。渡り鳥の楽園としても有名だそうです。
上池の向こうには、森林浴の森100選にも選ばれた、高館山もありますので、豊かな自然を楽しみたいという方には、特におすすめです。

大山観光協会サイトより写真引用
鶴岡市観光連盟の大山公園紹介ページ
大山公園住所:山形県鶴岡市大山3-47
入園料:無料
蓮の見ごろ:8月上旬~8月下旬
蓮の花の名所in東北
今回ご紹介した場所はこの5つです。
1.弘前公園(青森)
弘前公園では、古代蓮の一種である大賀蓮を見ることができます。お城の本丸から眺める景色が絶景ですので、是非とも本丸からの景色をご覧ください。
2.五郎沼(岩手)
五郎沼では、800年以上も昔の蓮である中尊寺蓮を見ることができます。中尊寺蓮は柔らかなピンク色をした大ぶりの花を咲かせる古代蓮です。他ではなかなか見ることができない貴重な蓮なので、是非足を運んでみてください。
3.千秋公園(秋田)
千秋公園では、古代蓮の一種である大賀蓮を見ることができます。お濠一面に元気よく蓮の葉が開き、夏には大きなピンク色の花を咲かせますので、涼しい公園内を散歩しながら、蓮の花に癒されてみてください。
4.伊豆沼・内沼(宮城)
伊豆沼、内沼では、東京ドーム83個分にも及ぶ沼一面に咲く蓮の中で遊覧船に乗ることができます。伊豆沼農産の直売所や宮城県のスーパーには、伊豆沼・内沼の蓮を使った化粧品が売られているそうです。
5.大山公園(山形)
大山公園では、姫蓮という薄いピンク色の蓮を見ることができます。飛来する数々の野鳥を観察したり、蓮を収穫する様子を見学したりしながら、豊かな大自然を存分に味わってみてください。
東北地方では、沼に咲く蓮や、お濠に咲く蓮、そして、山をバックに咲く蓮など多種多様な環境のなかで咲く蓮を見ることができます。蓮にまつわる逸話や歴史、文化などにも目を向けながら、蓮や睡蓮を楽しみましょう。
そして、くれぐれも熱射病対策を忘れないでくださいね。ひんやり感が続く日傘があれば、夏のお出掛けも快適です!
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